夏の始まりの日曜日

■昼前に髪を切りに行って、それからぷらぷらと買い物に街へ出ると、すれ違う人たちのほとんどは半袖の服を着ていて、いつもはビルの中に閉じ込もっているからか、もうすっかり夏の始まりになっていることに少しの驚きを感じ、と同時に、季節の変わり目に鈍くなったのかなあと思いながら自転車を走らせていると、切られた風が汗ばんだ首筋を掠めてひんやりと冷たく、それが照りつける日差しにちょうどいい具合に気持ちがよくて、不意にカレーを作ろうと思い立ったのだった。

■米を研いで炊飯器にスイッチを入れ、にんじんとじゃがいもと鶏肉を切って、鍋にバターを入れてそれらを炒めたら、ココナッツミルクとカレーペーストと香辛料の乾燥した葉っぱみたいなやつを入れ混ぜて、ビールを飲みつつお玉で灰汁を取り除きながら、ことことと鍋が煮える様子を見つめていると、いつの間にか窓の外は夕暮れで、その風景が、スピーカーから聴こえてくるくるりの新しいアルバムの曲とか、立ち込めるカレーの匂いとか、舌に馴染んでいくビールの苦味とか、あとはよくわからない何かしらと溶け合って、いい感じの時間となって流れていった。今日はいい日曜日だなあと思う一日。

お帰りなさい

■近頃はPCがネットに接続されているとか、ワンセグ機能の付いたケータイを持っているだけでもNHKの受信料を払わなければいけないらしいというのには驚くばかりだが、平成21〜23年度のNHK経営計画が書かれたパンフレットを読みながら、こんなものを配布するよりもっと効果的に受信料の徴収をする方法があるんじゃないかと思えてならない。例えばプロバイダ料金やケータイ料金に受信料を含むとか、電器店でテレビを買う人を待ち伏せるとかさ。パンフレットの印刷代やそれを配布する人の人件費を削った方が、よっぽど経営計画を達成するにはいいんじゃないかと。

■ともあれ、帰途に着いたすぐそばから、NHKのへんてこりんなキャラクターに「お帰りなさい」と言われるのは、あんまりいい気分じゃないなと思う一日。

「豚身昼斗念」或いは「コピ・ルアック」

■ひさびさに「かもめ食堂」を観た。この映画の中に流れている時間は、いい感じだなといつも思う。こういう時間の中で生活することは叶わないのかと、考えた一日。