夏の始まりの日曜日

■昼前に髪を切りに行って、それからぷらぷらと買い物に街へ出ると、すれ違う人たちのほとんどは半袖の服を着ていて、いつもはビルの中に閉じ込もっているからか、もうすっかり夏の始まりになっていることに少しの驚きを感じ、と同時に、季節の変わり目に鈍くなったのかなあと思いながら自転車を走らせていると、切られた風が汗ばんだ首筋を掠めてひんやりと冷たく、それが照りつける日差しにちょうどいい具合に気持ちがよくて、不意にカレーを作ろうと思い立ったのだった。

■米を研いで炊飯器にスイッチを入れ、にんじんとじゃがいもと鶏肉を切って、鍋にバターを入れてそれらを炒めたら、ココナッツミルクとカレーペーストと香辛料の乾燥した葉っぱみたいなやつを入れ混ぜて、ビールを飲みつつお玉で灰汁を取り除きながら、ことことと鍋が煮える様子を見つめていると、いつの間にか窓の外は夕暮れで、その風景が、スピーカーから聴こえてくるくるりの新しいアルバムの曲とか、立ち込めるカレーの匂いとか、舌に馴染んでいくビールの苦味とか、あとはよくわからない何かしらと溶け合って、いい感じの時間となって流れていった。今日はいい日曜日だなあと思う一日。