ミスマッチ

■朝靄の中、何かがおかしいと感じながら、その何かがわからないまま、私は職場に向かって自転車を走らせていた。職場まではおよそ10分ほどの道程なのだが、その違和感をようやく捉えることができたのは、ちょうど家と職場の中間地点にある交差点で信号待ちをしていたときだった。私はスーツ姿なのにスニーカーを履いている。「ああ、ビーチサンダルじゃなくてよかった」と胸を撫で下ろしながら、何事においても正しい組み合わせがあるんだな、ということを再確認した一日。